近年、医療コストの最適化を背景に、中古医療機器への注目が高まっています。購入を検討する際には、市場の現状をあらかじめ把握しておくことが大切です。
コスト削減と整備技術の向上が普及を後押し
クリニックや中小医療法人を中心に、設備投資コストを抑えるために中古医療機器を選ぶ医療機関が増えています。超音波診断装置やCT・MRIといった高額機器は、新品と比べて大幅にコストを削減できる場合があるため、開業時や機器の買い替え時の選択肢として検討されることが多くなりました。
整備技術の向上により、中古品でも安全に使用できる機器が増えていることも、普及を後押ししているといえるでしょう。
市場拡大とともに増えるリスク
一方で、市場の拡大にともない、必要な許可や届出を取得していない業者が医療機器を販売するケースも見受けられます。インターネットオークションやフリマサイトへの出品がその典型例です。
こうした業者から購入した場合、品質や安全性に保証がなく、メーカーによる修理・点検を断られるリスクがあります。中古医療機器を安心して導入するためには、信頼できる業者を正しく見極める目が欠かせません。
中古医療機器を販売する業者には、どんな許可が必要か
中古医療機器の販売は、誰でも自由に行えるわけではありません。薬機法や古物営業法により、複数の許可・届出が義務付けられています。
購入先を選ぶ際には、業者がこれらの要件を満たしているかを必ず確認しましょう。
薬機法上のクラス分類と許可の違い
医療機器は薬機法により、人体へのリスクの程度に応じて3つのクラスに分類されています。クラスによって、販売に必要な許可・届出の内容が異なります。
・一般医療機器(クラスⅠ):ピンセット・聴診器など。販売に許可・届出は不要です。
・管理医療機器(クラスⅡ):血圧計・心電計・電子内視鏡など。販売業の届出が必要です。
・高度管理医療機器(クラスⅢ・Ⅳ):人工呼吸器・ペースメーカー・放射線治療機器など。販売業の許可が必要です。
クリニックで使用される超音波診断装置やX線撮影装置は、多くの場合、管理医療機器または高度管理医療機器に該当します。購入先の業者が適切な許可・届出を取得しているかを、事前に確認することをおすすめします。
古物商許可が必要な理由
中古医療機器の販売には、薬機法上の許可・届出に加えて、古物商許可(古物営業法に基づく許可)も必要です。一度使用された物品を売買・交換する事業を行う場合、都道府県公安委員会から古物商許可を取得することが義務付けられています。
この許可を持たない業者は、中古医療機器を合法的に販売することができません。業者のウェブサイトや会社概要に古物商許可番号が明記されているかどうか、購入前に確認しておくと安心です。
製造販売業者への事前通知とは
中古医療機器を販売する際には、薬機法施行規則第170条第1項に基づき、販売前に製造販売業者(メーカー)へ事前通知を行うことが義務付けられています。
万が一メーカーから品質確認に関する指示があった場合、販売業者はそれを遵守しなければなりません(薬機法施行規則第170条第2項)。
なお、この通知義務は高度管理医療機器だけでなく、管理医療機器にも準用されます(薬機法施行規則第178条)。購入時には、業者がこの通知手続きを適切に行っているかを確認しておくと安心でしょう。
購入後の安心は、業者選びの段階で決まる

中古医療機器は、購入して終わりではありません。導入後に機器が正常に稼働し続けるためには、購入前の段階で業者のサポート体制をしっかりと確認しておくことが重要です。
「安さ」だけを基準に選ぶと、故障時や点検時に思わぬコストや手間が発生することがあります。
初期点検の実施体制を確認する
中古医療機器は使用履歴があるため、購入前に適切な初期点検が行われているかどうかを確認することが大切です。信頼できる業者であれば、販売前に機器の動作確認・清掃・消耗部品の交換などを実施したうえで納品します。
確認すべきポイントは以下のとおりです。
・点検の実施有無と点検内容が書面で確認できるか
・点検を実施したスタッフの資格・専門性が明示されているか
・点検記録が保管・開示されているか
点検記録が開示されない業者や、点検の有無を明言しない業者からの購入は避けることをおすすめします。
保守契約の有無で何が変わるか
購入後の安定稼働を支えるのが、保守契約です。保守契約を結ぶことで、定期点検の実施や消耗部品の交換、軽微な不具合への対応を業者に継続的に依頼することができます。
保守契約がない場合、故障が発生するたびに都度見積もりを取る必要があり、対応が遅れるリスクもあります。また、保守契約の有無によってメーカーのサポートを受けられる範囲が変わる場合もあるため、購入前に契約内容を詳しく確認しておくことが重要です。
中古医療機器を長期にわたって安定して使用するためには購入後のサポートまで含めたトータルコストで業者を比較することをおすすめします。
故障時の対応スピードと窓口
医療現場では、機器のトラブルが診療に直結します。そのため、故障時の対応体制は業者選びの重要な判断軸のひとつです。
確認しておきたい主なポイントは以下のとおりです。
・故障時の連絡窓口が明確に定められているか
・対応スタッフが自社在籍か、外部委託かを確認する
・修理対応までの目安日数が事前に提示されているか
・修理部品の調達ルートが確保されているか
特に、修理部品の調達ルートはメーカーとの関係性によって大きく異なります。メーカー純正部品を迅速に調達できる業者は、それだけ修理対応の信頼性が高いといえるでしょう。
信頼できる業者を見極める3つの評価軸|整備体制・技術者・部品供給
許可証の有無だけでは、業者の実力を十分に判断することはできません。中古医療機器を安心して導入するためには、業者が持つ技術力・体制・調達力という3つの軸で評価することをおすすめします。
整備拠点の有無
自社に整備拠点を持つ業者は、機器の状態管理や修理対応を一貫して行える体制が整っているといえます。整備拠点がない業者の場合、点検や修理を外部業者に委託することが多く、対応までの時間やコストに差が出やすい傾向があります。
業者の公式サイトや問い合わせ時に、以下の点を確認しておくとよいでしょう。
・自社整備拠点が国内に存在するか
・整備拠点での対応範囲(点検・修理・部品交換など)が明示されているか
・整備済み機器の出荷基準が定められているか
整備拠点の有無は、業者の技術的な信頼性を測るうえで重要な判断材料のひとつです。
医療機器技士の在籍
臨床工学技士や医療機器の専門技術者(医療機器技士)が在籍している業者は、機器の構造や動作原理に精通したスタッフが点検・整備を担当しているため、安心度が高いといえます。
専門技術者が在籍していない業者では、点検の精度や故障診断の正確性に差が生じる可能性があります。購入前に業者スタッフの専門資格や経歴を確認することは、機器の品質を担保するうえで有効な手段です。
業者のウェブサイトや資料請求時に、スタッフの資格情報が公開されているかどうかを確認してみましょう。
メーカー部品供給ルートの確保
中古医療機器の修理において、メーカー純正部品を迅速に調達できるかどうかは、修理対応の質を大きく左右します。メーカーとの取引関係が構築されている業者は、純正部品の入手が比較的スムーズであり、修理の精度と速度の両面で優位性があります。
一方、部品調達ルートが確保されていない業者では、修理に時間がかかったり、互換部品での対応となる場合もあります。購入前に以下の点を確認しておくと安心です。
・メーカーとの取引実績や関係性が公開されているか
・純正部品での修理対応が可能かどうか
・部品の在庫状況や調達期間の目安を提示できるか
これら3つの軸を総合的に確認することで、許可証だけでは見えにくい業者の実力を正しく判断できるでしょう。
詳しくはプロが厳選!中古医療機器の買取業者おすすめ20選|選び方や相場、注意点も紹介で解説しています。参考にしてみてください。
購入前に確認しておきたいチェックリスト
業者選びの基準を理解したうえで、実際に購入を検討する際には、個々の機器についても確認すべき項目があります。以下のチェックリストを参考に、購入前の確認を進めてみてください。
許可証・事前通知・法定表記の確認方法
中古医療機器を購入する前に、以下の項目を必ず確認しましょう。
・販売業者が医療機器販売業の許可または届出を取得しているか
・古物商許可証を有しているか
・製造販売業者への事前通知が適切に行われているか
・製造番号・販売名・製造販売業者名など法定表記事項が記載された銘板が機器に付いているか
・添付文書・取扱説明書が付属しているか
・点検記録や整備履歴が書面で確認できるか
これらの項目をすべて満たしている業者であれば、法令を遵守した適正な販売を行っているといえるでしょう。確認が難しい項目については、業者に直接問い合わせることをおすすめします。
違法販売業者を見分けるポイント
許可や届出を持たない違法な販売業者から医療機器を購入した場合、品質・安全性の保証が得られないだけでなく、メーカーによる保守・修理の対象外となるリスクがあります。
医療機関として適切な機器管理を行う観点からも、購入先の確認は欠かせません。
以下に該当する業者には注意が必要です。
・インターネットオークションやフリマサイトで医療機器を出品している
・許可証番号や古物商許可番号をウェブサイトに明記していない
・事前通知の実施について確認しても明確な回答が得られない
・点検記録や整備履歴を開示しない
・価格が市場相場と比べて極端に安い
法令を遵守した業者は、許可証番号や対応実績をウェブサイトや資料に明示していることが多いです。購入前に公式サイトをしっかりと確認し、不明点は問い合わせて解消しておくことが大切です。
使わなくなった医療機器は、どう処分すればよいか
機器の買い替えや閉院に際して、「現在使っている医療機器をどう処分すればよいか」と悩む医療機関は少なくありません。廃棄するのではなく、専門の買取業者に売却するという選択肢を検討することをおすすめします。
買い替え・閉院時に知っておきたい売却の基本
医療機器の売却にあたっては、いくつかの基本的な点を押さえておく必要があります。まず、医療機器は一般的な中古品とは異なり、薬機法の規制対象です。
個人間での売買は許可を持たない取引となる場合があるため、必ず許可を持つ専門業者を通じて売却することが求められます。
売却を検討する際の主な流れは以下のとおりです。
・査定依頼:機器の情報(メーカー・型番・年式・動作状況など)をもとに概算査定を行う
・訪問査定:業者が実機を確認し、正式な買取金額を提示する
・契約・引き取り:金額に合意後、業者が機器を搬出・引き取る
動作品はもちろん、故障品や年式が古い機器でも、部品として活用できる場合があるため、まずは専門業者に相談してみることをおすすめします。
許可証・実績・ワンストップ対応で選ぶ
売却先の業者を選ぶ際にも、購入時と同様の視点が重要です。以下の点を確認しておくと安心でしょう。
・高度管理医療機器販売業・貸与業許可を取得しているか
・古物商許可を有しているか
・買取後の機器の行き先(国内再販・海外流通など)が明示されているか
・査定額の根拠を明確に説明できるか
・搬出・撤去まで一括で対応できるか
クオンヘルスケアは、高度管理医療機器販売業・貸与業許可(第21N05051号)および古物商許可を取得した買取専門業者です。スマートフォンから簡単に査定依頼ができる「らくらく買取」をはじめ、大型機器の搬出・撤去まで一括でサポートしています。不要になった医療機器の処分や売却についてお悩みの際は、ぜひお気軽にご相談ください。
よくある質問|許可・事前通知・買取について
中古医療機器の販売・購入に関して、よくいただく質問をまとめました。
中古医療機器を販売するには、どんな許可が必要ですか?
取り扱う機器のクラスに応じて、薬機法上の許可または届出が必要です。管理医療機器(クラスⅡ)は販売業の届出、高度管理医療機器(クラスⅢ・Ⅳ)は販売業の許可が求められます。これらに加えて、古物営業法に基づく古物商許可も必要です。
古物商許可があれば、中古医療機器を販売できますか?
古物商許可だけでは不十分です。薬機法に基づく医療機器販売業の許可または届出も別途必要となります。両方の要件を満たしてはじめて、合法的に中古医療機器を販売することができます。
製造販売業者への事前通知とは何ですか?
薬機法施行規則第170条第1項に基づき、中古医療機器を販売する前に製造販売業者(メーカー)へ通知する義務のことです。メーカーはこの通知を受けて品質・安全性の確認を行い、必要に応じて販売業者へ指示を行います。購入時には、業者がこの手続きを適切に実施しているかを確認しましょう。
中古医療機器はどこで購入できますか?
薬機法上の許可・届出と古物商許可を取得した専門の販売業者から購入することができます。インターネットオークションやフリマサイトでの購入は、違法販売業者である可能性が高く、品質・安全性の保証が得られないため避けることをおすすめします。
中古医療機器の価格相場はどのくらいですか?
機器の種類・メーカー・年式・動作状況によって大きく異なります。たとえば内視鏡システムでは数十万円から100万円以上、超音波診断装置では数十万円から数百万円程度が目安とされています。正確な相場は専門業者への査定依頼で確認することをおすすめします。
フリマサイトやオークションで購入しても問題ありませんか?
許可を持たない業者や個人からの購入はリスクが高く、推奨できません。品質・安全性の保証がないだけでなく、メーカーによる修理・点検を受けられない可能性があります。また、購入した医療機関側にも法的・道義的なリスクが生じる場合があるため、必ず許可を持つ専門業者から購入しましょう。
不要になった中古医療機器は買取してもらえますか?
動作品はもちろん、故障品や年式が古い機器でも、専門業者による買取が可能な場合があります。医療機器の売却には薬機法上の手続きが関係するため、高度管理医療機器販売業・貸与業許可と古物商許可を持つ専門業者へ依頼することをおすすめします。
まとめ
本記事では、中古医療機器の販売業者を選ぶ際に押さえておきたいポイントを解説しました。
・中古医療機器の販売には、薬機法上の許可・届出と古物商許可の両方が必要
・販売前には製造販売業者への事前通知が義務付けられている
・購入後の安心のために、初期点検・保守契約・故障時の対応体制を事前に確認する
・業者の実力は整備拠点の有無・専門技術者の在籍・メーカー部品調達力の3軸で見極める
・不要になった機器は、許可を持つ専門の買取業者へ売却することを検討する
中古医療機器は、正しい知識と適切な業者選びによって、コストを抑えながら安全に導入できる選択肢です。本記事の内容を参考に、信頼できる業者をじっくりと見極めてください。
使わなくなった医療機器の処分や売却についてお悩みの方は、クオンヘルスケアへお気軽にご相談ください。高度管理医療機器販売業・貸与業許可(第21N05051号)および古物商許可を取得した買取専門業者として、査定から搬出・撤去まで一括でサポートしています。スマートフォンから簡単に査定依頼ができる「らくらく買取」もぜひご活用ください。
参考文献・参照リンク一覧
1. 東京都保健医療局
医療機器のリスク分類と販売業・貸与業の許可・届出
※薬機法上のクラス分類・許可・届出の根拠
2. 警視庁
古物商許可申請
※古物商許可の根拠(古物営業法)
※医療機器は古物区分「機械工具類」に該当
3. 厚生労働省
中古医療機器の販売等に係る通知等について
(令和4年12月13日 薬生機審発1213第1号)
※製造販売業者への事前通知義務(薬機法施行規則第170条第1項)の根拠
4. 厚生労働省
中古医療機器の販売等に関する個別事案の取扱いについて
(令和6年3月28日 医薬機審発0328第6号)
※事前通知の実施状況・個別事案の取扱いに関する根拠

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