2023/02/21
医療機器の保守点検とは?医療機器の管理で知っておきたい法律・実施ポイント
医療機器に故障がないからといって保守点検が疎かになっていませんか?医療機関には、法律によって医療機器の使用に際しての安全責任が科され、使用する医療機器の保守点検を行う義務が定められています。
本記事では、医療機器の保守点検の重要性と、保守点検で行うべき対応についてお伝えします。
医療機器の保守点検は医療機関に義務付けられている
医療法では、医療機器を使用する医療機関に対して、医療機器を安全に使用するための責任者「医療機器安全管理責任者」の配置や、責任者の適正・能力の基準、保守点検の方法の周知などが義務付けられています。そして、医療機器安全管理責任者には、医療機器の安全使用のために従業員への研修実施や、保守点検に関する計画や策定などが義務付けられています。
基本的には、医療機関が自ら実施すべきことだとされていますが、厚生省令で定められた基準をクリアし、許可を得た業者に委託することも認められています。
いずれにしても、医療機器が原因で重大なトラブルが発生しないよう、医療機関は責任をもって医療機器を管理し、必要に応じて修理する必要があるのです。
医療機器の保守点検を実施しなかった場合
医療機器は、適切な保守点検を実施しなければ、安全な性能を保つことができません。適切に保守点検を実施せず、医療過誤や医療事故が発生した場合、医療機関の管理責任が問われることになります。
トラブルの内容によりますが、一般的に刑事責任・行政責任・民事責任の3つがそれぞれ個別に追及されます。もちろん、社会的信用の失墜や巨額の経営的損失の発生にもつながります。
そのほか、医療機器が適切に管理されているか否かは、公益財団法人 日本医療機能評価機構の「病院機能評価」に関わってくることにも留意が必要です。
保守点検が義務付けられている医療機器とは?
保守点検すべき医療機器は、医薬品医療機器等法(薬機法) 第2条8項によって「特定保守管理医療機器」と定められています。特定保守管理医療機器とは、医療機器のうち、適切な保守点検や修理といった管理を行わなければ、疾病の診断・治療・予防に重大な影響を与えるものとして指定されている医療機器です。
【特定保守管理医療機器の例】
・人工呼吸器
・除細動器
・麻酔器
・手術用照明器
・注射筒輸液ポンプ
・人工心肺用システム
・超音波画像診断装置
・生体情報モニタ
・心電計
・心臓カテーテル検査装置
・体外式心臓ペースメーカ
・X線用テレビ装置
保守点検では何をする?
医療機関の保守点検には、清掃・キャリブレーション・消耗品の交換が該当します。そして、医療機器の保守点検には「日常点検」と「定期点検」の2種類があります。
日常点検
日常点検とは、日常業務のなかで行うべき最低限の確認を指します。日常点検も「始業時点検」「終業時点検」「使用中点検」に分類されます。
始業時の点検は安全を確保するための確認で、終業時の点検は正常に動作しているかの確認です。いずれも、主に安全性や部品の劣化、動作や外見に問題がないかを点検します。とくに、始業時は使用前に安全装置や警報装置のトラブルを発見しなければなりません。また、使用中の点検は、動作設定や安全装置、警報装置が正常なのかを一定時間ごとに確認します。
点検に際しては、点検表を作成し、記録を残しましょう。日常点検は、毎日行わなければなりません。そして、記録の保管は、医薬品医療機器等法より最低でも3年、または医療機器の有効期限プラス1年です。
定期点検
定期点検は、1ヶ月・3ヶ月・6ヶ月など決められた期間ごとに行うべき詳細な確認を指します。定期点検では、日常点検では確認されない項目に関して、医療機器が本来の性能を保つための確認と部品の交換を行います。点検項目は、医療機器メーカーによって医療機器ごとに定められています。
日常点検は、主に従業員によって行われますが、定期点検は該当の医療機器に対する専門的な知識・技術を有した者が、適切な工具や検査機器を使用して行わなければなりません。定期点検を実施したあとは、定期点検報告書を作成し、医療機器を廃棄するまで保管してください。
医療機関が自ら実施できない場合は、医療機器メーカーや医療機器販売業者、医療機器修理業者などに委託して行います。外部に委託した場合も、定期点検報告書を作成・提出してもらい、それを医療機関が保管します。
適切に保守点検を行ってリスク回避を!
医療機器の保守点検は、法律によって医療機関に義務付けられています。適切な保守点検を怠ると、医療機器の故障・劣化につながるだけでなく、医療過誤・医療事故といった重大なトラブルに発展するリスクもあります。安全な医療を提供し、病院の社会的信用を守るためにも、医療機器の保守点検は法律に準じて適切に行いましょう。
保守点検によって故障が判明することもあります。そのようなときは、医療機器の専門買取『クオンヘルスケア』にご相談ください。医療機器によっては、故障していても買取が可能です。
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