2025/04/16
医療機関向け|医薬品輸入代行の流れと注意点を徹底解説【初めてでも安心!実例付き】

医療機関では、海外で使用されている医薬品が必要になることがあります。しかし、海外医薬品の輸入には法規制があり、適切な手続きが必要です。
・医療機関が海外医薬品を輸入する方法
・どのような手続きが必要か?
・輸入代行サービスの注意事項
本記事では、上記のような疑問を持つ医療機関に向けて、適法な輸入方法をわかりやすく説明します。
医療機関による海外医薬品の適法な輸入方法
医療機関が海外医薬品を輸入するには、法規制を遵守し適切な手続きを踏む必要があります。方法としては、特定の患者向けの薬を輸入する制度や、研究目的での輸入です。また、国内では手に入らない薬でも条件を満たせば輸入できる場合もあります。
輸入には、
・医療機関が海外医薬品を輸入する方法
・どのような手続きが必要か?
などが求められます。適法な流れで進めることで、医療機関も海外医薬品を安全に調達が可能です。
次の章では、具体的な輸入の仕組みを説明します。

医療機関が輸入可能な2つのケース
医療機関が海外医薬品を輸入できるケースは、大きく分けて2つあります。前提として、国内では入手ができない医薬品に限られています。
・臨床研究や治験のために薬を使うケース(研究・試験的な使用に限定)
・国内では使えない薬を特別な条件のもと輸入(一定の条件を満たす場合に限る)
どの方法でも、法規制の遵守と適切な申請が不可欠です。次に、それぞれの輸入方法について詳しく解説します。
1.治験・臨床研究目的の輸入
新薬の効果や安全性を確かめるため、治験や臨床研究の目的で輸入することも可能です。この場合、医療機関や研究機関が主体となり、厚生労働省や倫理委員会の承認を受ける必要があります。
輸入した薬は、研究の目的に沿って適切に管理されなければなりません。また、試験終了後の保管や廃棄方法も、事前に計画が必要です。
この制度を活用することで、将来的な治療の選択肢を広げる可能性があります
2.国内未承認薬の調達(条件付き)
日本で承認されていない医薬品でも、特定の条件を満たせば、医療機関が輸入できるケースがあります。例えば、海外では標準治療として使われている場合などです。
輸入には、厚生労働省の判断や、医療機関の責任のもとで適正に管理することが求められます。また、患者への十分な説明と同意の取得が必須です。
この制度を利用すれば、国内で治療が難しい患者に、新たな治療の選択肢を提供することが可能になります。
医療機関が輸入を行う際の負担とリスク
医療機関が海外医薬品を輸入するには、慎重な手続きと管理が求められます。申請や品質管理を適切に行うことで、安全に薬を調達し、患者へ提供することが可能です。
ここでは、以下の内容について輸入時に考慮すべき負担や注意点について説明します。
・申請手続きの複雑さ
・輸送時のトラブルリスク
・品質管理・副作用リスク
申請手続きの複雑さ
海外医薬品を輸入するには厚生労働省への申請が必要で、一定の手続きが求められます。書類には、医薬品の詳細や使用目的、安全性を示す情報が必要です。
審査には時間がかかり、不備があると再提出が必要な場合もあります。医療機関として適切に輸入するための基準を理解し、正しい手続きを行う準備をしましょう。
輸送時のトラブルリスク
輸入時には、審査や手続きが必要です。書類が不足すると通関が遅れる場合があるので、計画的に手続きを進めましょう。
また、医薬品の輸送には適切な温度管理が必要です。特に、温度変化の影響を受けやすい薬は、専用の輸送方法を選ぶことをお勧めします。
輸入後は品質を確認し、安全性を確保できる環境を整えましょう。
輸入医薬品の品質管理と副作用リスクへの対応
輸入した医薬品の品質を確保することは、医療機関にとって重要な責務です。海外の医薬品は、国内での使用実績が少ない場合もあります。慎重に管理しましょう。
また、副作用のリスクを正しく評価し、医師が適切に情報を提供することが大切です。患者への説明と経過観察の体制を整え、安全な治療環境を確保することが求められます。
海外医薬品の輸入に関する法規制と注意点
医療機関が海外医薬品を輸入する際は、国内の法規制を理解することが重要です。薬機法をはじめ、輸入に関する各種ルールを守る必要があります。
ここでは、未承認医薬品の取り扱いと法的な注意点について解説します。

薬機法における未承認医薬品の位置づけ
日本では、薬機法により承認された医薬品のみが販売・使用できます。ただし、特定の条件を満たせば、医療機関が輸入は可能です。
海外で広く使われている医薬品でも、日本では未承認である場合、輸入には必要な条件が設けられています。輸入の際には、厚生労働省の指針を遵守することが重要です。
輸入できる条件や規制は法改正などで変わる可能性があるため、最新の情報を確認しましょう。
患者への説明責任
未承認医薬品を使用する際は、輸入者である医師が責任を持って使用します。そのため、副作用やリスクについても十分に伝えなければいけません。
患者が納得した上で治療を受けられるよう、書面での同意取得が推奨されます。用法・用量を適切に伝えましょう。
安全に使用するために、事前のカウンセリングやフォローアップ体制を整えておきましょう。
副作用発生時の補償制度と対象外リスク
海外医薬品は、日本の医薬品副作用被害救済制度の対象外となります。そのため、副作用が発生した場合でも、補償を受けられないことを事前に理解することが必要です。
輸入した医薬品を使用する際は、患者に十分な説明を行い、リスクを明示しましょう。また、副作用発生時の対応策を事前に決めておくことで、万が一の際にも迅速に対応できます。
医療機関は、リスクを考慮しながら適切に管理することが求められます。
医療機関における海外医薬品の活用例(診療領域別)
海外で広く使用される医薬品の中には、日本では未承認のものも多く存在します。しかし、専門性の高い診療領域では、海外医薬品が活用されるケースがあります。
ここでは、輸入が検討されることの多い診療科の例を紹介します。

皮膚科・美容皮膚科
皮膚科や美容皮膚科では、新しい治療法やエイジングケア目的で海外医薬品が活用されることがあります。
成分名
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用途
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ミノキシジル
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発毛促進、脱毛症治療
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ビタミンA・アゼライン酸
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ニキビ・肌再生
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ヒアルロン酸・ボツリヌストキシン
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シワ改善・美容目的
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海外で承認されている成分でも国内では未承認のケースがあるため、慎重な判断が必要です。
婦人科・ホルモン療法
婦人科では、ホルモン調整や更年期の症状緩和において、海外医薬品の輸入が検討されるケースも見られます。
成分名
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用途
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黄体ホルモン・卵胞ホルモン
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ホルモン補充療法、更年期障害
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テストステロン
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特定のホルモン療法
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患者の状態に応じ、海外からの輸入が検討されるケースがあります。しかし、使用には十分な安全管理と説明が求められます。
がん・希少疾患領域
がん治療や希少疾患領域では、海外で承認されているものの日本では未承認の薬が多く存在します。特に、標準治療が確立されていない疾患に対し、輸入が検討されることがあります。
しかし、これらの薬剤は国内での使用実績が少ないため、慎重な対応が求められるケースが多いです。患者の安全を確保するため、副作用のモニタリングや適切な管理が必要となります。
輸入代行サービスを利用する際の手続きと流れ
医療機関が海外医薬品を適法に輸入するには、信頼できる代行サービスの活用が有効な選択肢の一つです。代行業者に依頼する際は、適法性の確認や必要書類の準備、輸入後の管理が求められます。
ここからは、一般的な手続き方法とその注意点をお伝えします。

1. お問い合わせ
まずは輸入希望の医薬品について、業者に必要な情報を伝えます。提供する内容には以下が含まれます。
・医薬品名
・必要数量
・輸入者となる医師の氏名
・届け先の医療機関名 など
2. ご注文と見積もり
提供した情報に基づき、代行業者から海外手配のための見積もりが提示されます。見積もりには、商品代金、送料、輸入代行手数料が含まれる場合もあるので確認しましょう。
為替レートや現地価格の変動により金額が変わる場合もあるため、確認が必要です。
3. 海外への手配
注文が確定すると、業者が海外の正規供給元から医薬品を手配します。医療機関が海外の供給元と直接やりとりする必要はなく、業者が橋渡しを行うので安心です。
4. 通関手続き
業者は、各地方厚生局への輸入確認申請や通関手続きを代行します。これにより、医薬品が適法に輸入されるよう手配されます。
5. お届け
輸入された医薬品は、適切な温度管理のもとで医療機関に届けられます。これにより、品質が維持された状態で受け取ることが可能です。
6. ご請求・お支払い
業者からの請求に基づき、代金を支払います。通常、外貨での支払いは不要であり、輸送費などの諸経費も業者が立て替える場合が多いです。ただし、一部費用が医療機関側で発生することもあるため、事前に確認しておきましょう。
医療機関の導入事例
株式会社クオンヘルスケアでは、医療機関向けに海外医薬品の輸入手続きを支援しています。ここでは、実際に同社のサポートを受けて輸入を行った医療機関の事例をご紹介します。
国内の病院で海外医薬品を活用した治療例
皮膚科を専門とする国内の病院では、国内で承認されていない海外医薬品を用いた治療が行われました。既存の治療では十分な効果が得られなかった患者に対し、新たな選択肢として導入され、症状の改善が確認されたという報告があります。
実際に海外医薬品の輸入を行った医療機関のケース
患者の希望と医師の判断により、海外で使用実績のある医薬品の導入を検討した医療機関がありました。同社に相談のうえ、薬機法に基づく手続きを経て、必要な数量を適正に輸入することができました。
導入前の課題と解決策
輸入を検討した当初、当該医療機関では申請手続きや法規制への対応に不安を感じていました。同社のサポートにより、必要書類の整備や厚生労働省との連絡もスムーズに進み、安心して導入を進めることができたといいます。
輸入代行サービスを利用する際の注意点
輸入代行サービスを利用する際は、適法な業者を選びましょう。医療機関としての責任を理解することも重要です。
以下の点に注意しながら、適切に輸入を進めましょう。

① 適法な業者かどうかの確認
輸入代行業者が、薬機法を遵守した適正な手続きを行っているかを事前に確認する必要があります。
医療機関として信頼できる実績と、法令遵守の体制を持つ業者を選びましょう。過去の取引実績を確認しておくと安心です。
② 費用や納期の確認
海外からの輸入には、薬剤の価格以外にも輸送費や関税、代行手数料が発生する場合があります。
見積もり時に最終的な費用を明確にし、追加費用が発生する可能性についても確認しましょう。また、納期は輸送状況や通関手続きによって変動するため、余裕を持ったスケジュールを組むことが重要です。
③ 医療機関の責任と適正使用
代行サービスを利用して輸入した医薬品は、最終的な管理責任が医療機関にあります。
そのため、輸入した医薬品の品質を確認し、適切に保管・管理するようにしましょう。また、患者への説明責任や副作用モニタリングなど、安全な使用に向けた対応も必要です。
④輸入可能な医薬品の種類や範囲
すべての海外医薬品が輸入が認められる医薬品の対象となるわけではありません。希望する薬剤が代行の対象か、事前に取り扱い範囲を確認しておきましょう。
輸入代行サービスに関するよくある質問(FAQ)
輸入できる医薬品のリストはどこで確認できますか?
医薬品ごとに輸入可否が異なります。厚生労働省、または代行業者への個別確認が必要です。国内での未承認状況なども確認しましょう。
輸入代行業者を使わずに、自分で手続きを行うことはできますか?
可能ではありますが、手続きは煩雑かつ専門的です。多くの医療機関では、法令遵守や効率性の観点から代行サービスの利用を選ぶ場合が多いです。
輸入した医薬品は国内での保険適用が可能ですか?
一般的に、未承認の海外医薬品は保険適用の対象外です。自由診療での対応となります。
薬事申請の代行に別途費用はかかりませんか?
代行業者によっては、申請書類の作成や手続きに関するサポートに費用が発生する場合もあります。見積もり時に内訳を確認し、追加費用の有無を把握しておきましょう。
国内で入手が困難になっている医薬品について、輸入はできますか?
供給が不安定な薬剤について、海外で流通していれば輸入が検討される場合があります。ただし、輸入には法的な条件や手続きがあるため、業者や関係機関への事前相談が必要です。
国内にはない海外医薬品の調査も依頼できますか?
対応している業者であれば、海外での流通状況や製品情報の調査依頼が可能なこともあります。ただし、すべての医薬品が対象とは限らないため、事前に相談しましょう。
まとめ|安全で適正な輸入には専門サポートの活用を
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