パルスオキシメーターは、動脈血中の酸素飽和度と脈拍数を測定できる機械で、日本の法律で医療機器に分類されています。医療機器とは、人や動物の疾病の診断・治療・予防に使用され、身体の構造または機能に影響を及ぼすことを目的としている機械・器具で、政令で定められたものを指します。
医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律(通称:薬機法)第2条第4項において定義づけられています。医療機器は、薬機法により、その品質・有効性・安全性を確保するために、製造から販売、市販後の安全対策まで一貫して規制がかけられています。
医療機器のクラス分類
薬機法第2条第5項から第7項において、医療機器は、一般医療機器・管理医療機器・高度管理医療機器の3段階に分けられています。一方で、国際的な分類では人の生命や健康に対するリスクの程度によってクラスⅠ~Ⅳの4段階に分別されています。そのため、日本でも薬機法上の分類に国際分類を取り入れたクラス分類が、厚生労働省によって通知されました。
<医療機器のクラス分類と薬機法上の分類>
人体へのリスク
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クラス
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薬機法上の分類
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高
↑
↓
低
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クラスⅣ
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高度管理医療機器
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クラスⅢ
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高度管理医療機器
(指定高度管理医療機器)
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クラスⅡ
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管理医療機器
(指定管理医療機器)
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クラスⅠ
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一般医療機器
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パルスオキシメーターの分類
パルスオキシメーターは、管理医療機器、とくに指定管理医療機器(クラスⅡ)に分類されています。
管理医療機器とは、製品に不具合が生じた場合でも、人の健康や生命に与えるリスクが比較的低いものとされています。たとえば、パルスオキシメーターのほかには、透析機器・人工骨・人口呼吸器・放射線治療機器・X線撮影装置などが管理医療機器に該当します。
さらに、管理医療機器のうち、指定管理医療機器は、厚生労働大臣が基準を定め、指定する医療機器を指します。
パルスオキシメーターを含む医療機器に対する規制
医療機器にはクラス分類ごとに、製品そのものや、医療機器に関連する事業者に対する規制が行われています。
パルスオキシメーター(製品)対する規制
医療機器を製造販売するためには、品質維持と有効性・安全性確保のために、審査機関による認証・承認や届出が必要です。
管理医療機器を製造販売するためには、独立行政法人 医薬品医療機器総合機構(PMDA)に承認申請をし、厚生労働大臣による承認が必要です。一方、指定管理医療機器を製造販売するためには、厚生労働大臣の登録を受けた登録承認機関(RCB)で審査・認証される必要があります。
パルスオキシメーターは指定管理医療機器なので、製造販売するためには登録機関に対して認証申請を出し、審査を受けなければなりません。
医療機器に関連する事業に対する規制
医療機器を取り扱う事業者が営業を行うためには、業務内容によって許可・届出・登録をしなければなりません。
パルスオキシメーターを販売するために必要な許可
クラスⅡ以上の医療機器を仕入れて、販売・貸与するためには、医療機器販売業の届出または許可が必要です。パルスオキシメーターはクラスⅡに該当するため、医療機器販売業の届出を提出した事業者でなければ、販売することができません。
ここで注意が必要なのが、パルスオキシメーターのなかには、特定保守管理医療機器に該当するものもあるという点です。特定保守管理医療機器は、保守点検・修理など管理に対して専門的な知識と高い技能レベルが求められ、適正な管理が行われない場合に重大な不具合や感染が発生するおそれのある医療機器を指します。特定保守管理医療機器を販売・貸与する場合には、クラスにⅠ~Ⅳの分類にかかわらず、営業所ごとに高度管理医療機器等販売業・貸与業の許可を取得する必要があります。
パルスオキシメーターを製造販売するための許可
医療機器を製造販売するためには、医療機器製造販売業の許可を取得しなければなりません。医療機器製造販売業とは、製品を自社または他社で医療機器を製造、または海外から輸入し、販売・賃貸・授与する業態を指します。医療機器製造販売業の事業者は、製品の品質維持・安全性の確保と、市場に製品を流通させるための責任を負います。製造所が適切に製造しているのかの監督や審査、市販後の不具合に関する情報集や分析、調査に対しても責任が課されています。
医療機器製造販売業の許可は、クラス分類に合わせて3種類に分けられています。
<許可の種類と扱える医療機器>
クラス分類
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製造販売業許可
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製造販売できる医療機器
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クラスⅠ
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第三種医療機器製造販売業
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一般医療機器
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クラスⅡ
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第二種医療機器製造販売業
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一般医療機器
管理医療機器
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クラスⅢ
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第一種医療機器製造販売業
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一般医療機器
管理医療機器
高度管理医療機器
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クラスⅣ
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パルスオキシメーターはクラスⅡに該当するため、第二種医療機器製造販売業または、第一種医療機器製造販売業の許可を得ることで製造販売できます。
パルスオキシメーターを製造するための登録
医療機器を製造するためには、都道府県知事より、各製造所が、製造工程ごとに医療機器製造業の登録を受けなければなりません。登録なので許可制ではありませんが、製品の生産方法・管理体制について審査が行われます。よって、パルスオキシメーターの製造においては、医療機器製造業の登録が求められます。
海外で製造したり、海外企業が製造する場合は、厚生労働大臣による医療機器等外国製造業の登録が求められます。また、クラスⅡ~Ⅳの医療機器の製造においては、すべての製造工程において登録が必要です。
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本社所在地 |
〒590-0025
大阪府 堺市堺区向陵東町3-2-20 |
電話番号 |
072-276-4101 |
認可証 |
高度管理医療機器販売業・貸与業許可
第 21N05051 号
医療機器修理業許可
27BS200794
古物商許可 ( 大阪府 )
第 622080196260 号
動物用管理医療機器等販売・貸与業届出 全省庁統一資格一般競争(指名競争) 発行番号:200713000037
産業廃棄物収集運搬業許可
第02700216380号 |